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研究トピック: ウェアラブル・ユビキタスコンピューティング

情報工学技術を適用することで、障害者の日常生活支援を行うシステムの開発研究を行っている。主なトピックは下記の通り。


ウェアラブルコンピューティング

ウェアラブルコンピューティングとは身につけられる計算機環境を構築し、これを用いて新しい情報サービスを提供する研究分野である。本研究では、Mixed Reality技術を用いてウェアラブルコンピュータ用インタフェースの開発や、アプリケーションの開発を行っている。

  • 主な研究成果
    ウェアラブルMRによるデバイスレス・インタフェース(佐々木・小島・Antoniac:1998~2005)
    ウェアラブルコンピュータを想定したとき、顔に集中している人間の入力デバイス(目・耳)の周辺に機器を装用するのが最も効率的であるが、人間の最大の出力デバイスである手は、これらから大きく離れた位置にある。このギャップを解消するため、ビデオシースルー型HMD(Head Mounted Display: 当部搭載型ディスプレイ装置)を用いて眼前にMR空間を構築し、手の周辺に入力メニューなどを提示して表示するデバイスレスなインタフェース、てのひらいんたぁふぇいす、HandSmart、Clip-Interfaceを開発した。
    てのひらめにゅう
    状況推定機能付き電子白杖(立石敏隆:2000〜2003)
    下向きギャップなど、白杖での検知が困難な歩行バリアを検出し、危険な場合にのみ通知することで、情報過多による被支援者の混乱を回避しながら的確な歩行支援を行う電子白杖を構築した。本システムでは3点式のアクティブ距離計測計と、空間を壁と床に大別して周辺状況の推定を行う「壁床戦略」を構築することで、ロバストな状況推定を実現している。
    E-Cane E-Caneの計測原理
    視覚障害者用買物支援Wearable Computer(村上満佳子:2001〜2002)
    視覚障害者はスーパーマーケットなどでの買物では、商品の置き場所、鮮度、価格など、我々が一般的に視覚で得ている情報を取得することができないため、商品を触って鮮度を確かめるなど、商店側にとっても好ましくない行動を行うことがある。本研究では、商品に取付られた識別票(バーコードやRFIDタグ等)を参照して、POS等から情報を取得し、音声で情報提供を行う視覚障害者用買物支援システムを構築した。
    買い物支援システムの概要
    歯科用ウェアラブルコンピュータ(大星:2005〜)
    医療行為の進行中、医療者は様々な情報に津に音にアクセスする必要があり、情報パートナーとしてのウェアラブルコンピュータの導入効果は高いと思われる。本研究では、額帯反射鏡を素養しており、片眼用HMDの使用に抵抗のない歯科医師を対象として、ウェアラブルコンピュータの開発を行っている。
    本研究は玉川助教授(大阪大学歯学部附属病院)大星助教授(近畿大学理工学部情報学科)との共同研究である
    歯科用WPC
  • 主な発表論文
    • 佐々木博史, 黒田知宏, 眞鍋佳嗣, 千原國宏: "『てのひらめにゅう』:ウェアラブルコンピュータ用入力インタフェース". 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 7(3):393-401 (2002)
    • P. Antoniac, P. Pulli, T. Kuroda, D. Bendas, S. Hickey, H. Sasaki: "Wireless User Perspectives in Europe-HandSmart Mediaphone Interface". Wireless Personal Communications, 22:161-174 (2002)
    • 小島佳幸, 安室喜弘, 黒田知宏, 井村誠孝, 眞鍋佳嗣, 千原國宏: "Clip-Interface: ウェアラブルPCによる3次元作業空間インタフェースの提案". 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 7(3):313-322 (2002)
    • Y.Yasumuro, M.Murakami, M.Imura, T.Kuroda, Y.Manabe, K.Chihara: "E-Cane with Situation Presumption for the Visually Impaired". UI4ALL, Universal Access Theoretical Perspectives, Practice, and Experience, Springer LNCS 2615 Revised Papers, pp.409-421 (2003)
    • M.Murakami, Y.Yasumuro, T.Kuroda, Y.Manabe, K.Chihara: "Shopping Support System for the Blind Using Barcode". 7th ERCIM Workshop - User Interfaces for All, pp.207-208 (2002)
  • 主な外部資金
    • 黒田知宏: 次世代携帯電話を用いた分散AR環境の構築. 国際コミュニケーション基金, 調査研究助成(1999~2000)
    • 木戸出正継: 日常生活を拡張する着用指向情報パートナーの開発. 科学技術振興機構, CREST (2000-2005)
    • 眞鍋善嗣 (分担): 創発型歩行者ITS. 日本学術振興会, 科学技術研究費補助金 基盤(C) (2001-2003)
    • 村上満佳子, 携帯電話機を用いた視覚・聴覚障害者のための支援システム, 文部省科学研究費若手研究(B)(2002-2003)
  • 主な特許
    • 黒田知宏,佐々木博史: 身体を利用する画像入力インタフェースを備えた一体型装着型計算機. 特願2000-128778, 特開2001-312356 (2000)
    • 黒田知宏,村上満佳子: 商品識別票を利用した視覚障害者用商品案内音声ガイド. 特願2000-356778, 特開2002-163284


ユビキタスコンピューティング

ユビキタスコンピューティングとは、空間全体にコンピュータが偏在し、それらの存在を意識することなくともそれらのサポートを受けられるような環境を構築する技術である。また、ユビキタスコンピューティングとは、周辺にある情報インフラをうまく利用して、「他人の褌ですもう」をとる環境を構築することに他ならない。本研究では、特定の状況を想定した下で、様々なアプリケーション研究を行っている。

  • 主な研究成果
    創発型歩行者ITS(黒田:2000~2002)
    福祉情報学の創発型歩行者ITSの説明を参照。
    歩行者ITSのビジョン1 歩行者ITSのビジョン2
    PDAを用いた褥瘡管理支援システム(灘吉:2003~2005)
    看護師は恒に患者の元を移動しながら業務を行っており、業務効率化と事故防止のためには情報が発生した現場で情報を記録する「発生源入力」が理想的であるとされている。本研究では、看護師が主要なプレーヤとして業務が進行する褥瘡管理を例にとり、病院情報システムを利用して、PDAや電子カルテ端末を用いて情報入力が可能なシステムを構築した。病棟業務に実際導入したところ、一定の業務効率化効果が認められた。
    本研究は京都大学医学部附属病院皮膚科・看護部との共同研究
    PDAを用いた褥瘡記録
    病院情報システムへのネットワークデジタルカメラの導入(黒田:2005~2006)
    電子カルテ化の進展に伴って、写真などのマルチメディア情報をカルテ上に保管することが多くなったが、データの形状のためには端末装置にカメラをUSBなどのインタフェースで繋いでデータを移行するなど、付加的な作業が発生する。また、これらのインタフェースを有効にすることは、電子カルテシステムそのものの安全性を脅かしかねない。本研究では、無線LANを介して撮像した画像をサーバに保存するネットワークデジタルカメラを用い、カメラCCDによって患者バーコード・職員バーコードを認証することで、発生源で情報を入力し、そのままPACS(画像管理システム)に保管すうことの出来るシステムを構築した。
    本研究は、三洋電機との共同研究
    ネットデジカメの概念図
  • 主な発表論文
    • 黒田知宏: "情報技術がもたらすバリアフリー生活環境の将来性". 技術予測レポート3巻;医療・健康・高齢化社会への対応技術編, pp.33-41, 日本ビジネスレポート (2000)
    • 大星直樹, 灘吉隆也, 三富陽子, 黒田知宏, 崎花尚美, 立花隆夫, 宮地良樹, 吉原博幸: "PDAを入出力デバイスとする褥瘡診療計画書入力システムの開発と有効性の検討". 医療情報学, 24(1):99-109 (2004)
    • 黒田知宏: "京大病院へのユビキタス看護支援環境の導入". 新医療, 368: 176-180 (2005)
    • 黒田知宏, 長瀬啓介, 吉原博幸: "携帯情報端末とネットデジカメによる院内ユビキタス情報環境の構築". 計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (2005)
  • 主な外部資金
    • 眞鍋善嗣: 創発型歩行者ITS. 日本学術振興会, 科学技術研究費補助金 基盤(C) (2001-2003)
    • 千原國宏: ウェアラブル・エコー診断システムの開発. 日本学術振興会, 科学技術研究費補助金 基盤(A) (2002-2005)
    • 黒田知宏: 大川情報通信基金, 助成金, 状況依存な情報提供を行うウェアラブル病棟情報支援システムに関する調査研究 (2004-2005)
    • 畚野信義: 通信情報研究機構, 民間基盤技術研究促進制度, 日常行動・状況理解に基づく知識共有システムの研究開発 (2004-2009)
  • 主な特許
    • 井上泰彰, 平沼義直, 高梨恭一, 黒田知宏: 撮像装置および撮像方法. 特願2004-281001 (2004)
Last modified Tue Sep 28 15:08:17 2021