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お品書き
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研究トピック: 医療情報工学
情報工学技術を適用することで、医療サービスの向上をはかり、また、医療データから某かの知見を得ることを目的に研究開発をおこなっている。主なトピックは下記の通り。
遠隔医療
内視鏡手術などが発達し、手術野をテレビ画面を通して覗く形式の手術が広がる中、仮想現実と現実の手術の境界はなくなりつつあり、遠隔手術の実現の現実味も増してきている。本研究では、遠隔手術・遠隔医療の実現を視野に入れ、情報支援という立場から、遠隔医療支援情報システムの研究を行っている。
- 主な研究成果
- Surgical Cockpit(堀・尾崎:2001~)
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診療・手術の際には多種多様な情報が参照される必要がある。一方で某かの作業を行う際には、特定の情報に集中する必要がある。そこで、本研究では、周辺部分にカタログ上に様々な情報を配置し、中央の画面に現在参照されるべきデータを提示することで、中心視野で重要な情報を、周辺視野で把握しておくべき情報を得ることが出来るインタフェース、Surgical Cockpit Systemを提案し、構築した。
Surglcal Cockpitに関する更に詳しい説明はここをご覧下さい。
- アプリケーションレベル統合QoS(堀・森・司:2002~)
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Surgical Cockpitに限らず、遠隔医療を円滑に推進するためには、少々の情報ネットワークのエラーにかかわらず安定して情報通信が保たれる必要がある。とくに、Surgical Cockpitの様な状況を想定した場合、大量のデータが参照される必要があるため、現在中心視野で把握されている情報により優先度を与えて情報伝送しつつ、周辺のデータも壊れることなく必要最小限のデータ転送を行う必要がある。本研究では、 Mpegを参考に、GOF(Group of Frames)パケットと呼ぶアプリケーションにとって意味のある情報単位でパケットを生成し、更に、様々な品質軸で品質制御を可能とするようなQoSシステムを構築した。
- 主な発表論文
- 堀謙太,黒田知宏,小山博史,高橋隆: "Surgical Cockpit System −遠隔手術における統合情報支援システムの標準化−".医療情報学,21(5):333-340 (2001)
- 森正人, 司隆史, 堀謙太, 黒田知宏, 吉原博幸: "遠隔医療のためのアプリケーションレベルのネットワークQoS制御システム". 生体医工学, 42(4):340-346 (2004)
- 主な外部資金
- 小森優: 未来開拓学術研究推進事業, 外科領域を中心とするロボティックシステムの開発 (1998~2002)
- 主な特許
- 高橋隆, 小山博史, 黒田知宏, 堀謙太: 医療用コクピットシステム. 特願2002-131944 (2002)
医用VR
仮想現実感の医用VRの説明を参照
ユビキタス医療環境
ウェアラブル・ユビキタスコンピューティングのユビキタスコンピューティングの説明を参照
その他
そのほか下記に示すような研究を行っている。
- 主な研究成果
- 手術の視覚的な記述法(藤原香織:2001~2003)
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外科手術は複数の医療者が各々の専門職務を完璧に、かつ、連携して実施して初めて実現出来る。一方で連携のキーとなる手術手順は、術式や術者の癖によって様々に変化する。術者との密な連携が求められる看護師、特に経験の浅い看護師が確実に職務をこなすために、術中に「次の手順」を示す術中情報支援は大きな支援となりうる。本研究では、ペトリネットを改良し、新たな手術の記述法を開発した。提案手法の、記述誤りの減少、記述時間の短縮が起こることを確認することが出来た。
- 褥瘡の画像計測(清光千恵:2002~2005)
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近年入院中の患者QoS向上の観点から、褥瘡治療への取り組みが増加している。褥瘡の状態を継続的に記録し、客観的指標を用いて評価することが、褥瘡治療管理の第一歩となる。本研究では、患部付近の画像から画像抽出を用いて褥瘡評価指標DESIGNの自動抽出を試み、大きさに関する指標の抽出に成功した。
原画像写真出典:“褥瘡状態評価法 DESIGNのつけ方・使い方”,照林社
- 主な発表論文
- K. Fujiwara, T. Kuroda: "Description Method of Surgical Operation for Intra-operative Support". HCI International 2003 Adjunct Proceedings, pp.217-258 (2003)
- 清光千恵, 黒田知宏, 吉原博幸: "画像処理による褥瘡の自動評価の試行". 第5回日本医療情報学会学術大会論文集 (2004)
- 主な外部資金
- 千原國宏: ウェアラブル・エコー診断システムの開発. 日本学術振興会, 科学技術研究費補助金 基盤(A) (2002-2005)
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