Huippuvuoreteen 3

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スヴァールバルへの旅 3

2006年6月9日金曜日

朝ご飯 さて、Longyearbyen二日目。Spitsbergen guesthouseのこんな感じの朝ご飯を食べに行くところからスタートです。値段も安かったのでたいしたものはでないんじゃないかと思っていたのですが、ところがどっこい、大変立派な朝ご飯です。ノルウェー名物の茶色い山羊のチーズGjetost(イエットオースト)までついていてご機嫌な朝ご飯です。

朝ご飯を食べたところで、今夜予約しているツアーの時間まで何をするかを妻と相談した結果、ホテルが少し街の中心から離れていることやら、街の外にもちょっと出てみたいことなど考慮して、レンタカーを借りてみようと言うことになりました。まさに行き当たりばったり。ホテルで教えてもらった Arctic Car Rentals に電話をしたところ、「10時には用意できるから電話するよ」とのこと。ホテルのロビーで絵はがきを書きながら待っていたら、10時きっかりに電話。「今玄関に来たんだけど」って、またえらいフットワークの軽い(笑)。 今回の相棒 今回の車は、韓国起亜自動車のSORENTO。ディーゼルですがなかなかよく走る車でした。こういう島ですから、こんなレンタカーしか置いてないとのこと、そりゃそうでしょうね。雪上車じゃなくて良かったって感じです。レンタカーは燃料代込み(満タン返し必要なし)、返却は「空港の駐車場に適当に鍵をXXXに入れて置いておいて、閉じ込みする必要はないから」というよくある「離島スタンダート」。手続きを済ませると、「悪いけど俺の車空港に置いてきたから空港まで乗せてってくれる」って、それもまたフレンドリーな(笑)。「じゃ、空港まで自分で運転してよ」と乗っていくことにしました。その道中見るべき所や今週末のイベントを色々教えてもらっていたら、

「そうそう、明日はLongyearbyen開闢百周年の記念式典があるんだよ」

ええっ。それはなんと偶然な。イベントの詳細はツーリストインフォメーションで聞けとのことでしたので、とりあえず空港で彼を降ろしたら、早速教えられたツーリストインフォメーションへ行くべく、街の中心へととって返しました。

Longyearbyen銀座 ということで、やってきましたLongyearbyen銀座。街の中心の繁華街です。ちなみにこれでほぼ全部。200m弱の距離にスーパーとショッピングモール、それにいくつかの関連施設が建っていておしまい。ちなみにこの写真、何枚か撮った写真の中で、一番にぎわっている写真です。他の写真は「ゴーストタウンか?」と言うぐらい人がいません。土曜日のお昼頃です。うーん。

ショッピングモール こちらはショッピングモール。なんとなくがら〜ん。ちなみに、ここには世界最北の Body Shop もあったりします。ていうか、有るお店の中に Body Shop コーナーがあります。

スーパー こちらは向かいのスーパー Svalbard-butikken。こちらは非常にちゃんと商品が並んでいます。野菜の新鮮さなんか、オウルなんかよりずっと上。心の底から情けなくなりました。こっちの方が商品持ってくるのはるかに大変なはずなのに。

JCBでどうぞ ちなみにこのお店では、JCBカードも使えます。レンタカーを借りたときもJCBで決済しましたし、どうやらこの島では「いらっしゃいませJCBでどうぞ」のようです。レンタカー屋の兄ちゃんの話だと、「他のカードと一緒になってて、マークはあるんだけど、使ってみたことはないよ、試してみようか」とのこと。さてちゃんと払えるんだかどうだか...(6月17日時点でまだ明細にリストアップされていませんが...大丈夫かなぁ。)

百周年コーナー スーパーの中にはちゃんと100周年記念コーナーもありました。やっぱり100周年は本当のようです。

インフォのはずが ということで、詳細を聞こうと教えられたインフォの位置を地図で確認しながら行ってみると、なんか雰囲気が微妙...。とりあえず案内されてカウンターに行ってみると、「ツーリストインフォメーション?新しくできた大学の建物の所に移転したわよ。」とのこと。あ、そうですか。移転ですか。地図に書いておいて欲しかったなぁ。ちなみにここは市役所として使われています。

大学 ということで、教えられた「リサーチセンター」の建物へ。この建物、もとからあった研究所の建物を建て増す形で今年の4月に新たにオープンしたそうで...

センターの入り口 国際的に共同利用されている、極地大学研究センターを中心に...

博物館 博物館なんかもある文化施設で、博物館の受付が、ツーリストインフォメーションを兼ねています。おかげでなんかみんな忙しそうで、ばたばたしてる感じです。それでも親切に、100周年記念事業の意義をまとめた資料(手作り!)とか、100周年記念事業のスケジュールなんかをくれました。

旧博物館跡 町はずれにあった古い博物館は、そのまんま放置されていたりするのが、いかにもこの街らしい感じです。寒すぎて木造の建物も腐らないようですし。

ごまふの間 博物館の中は、Svalbardの自然や歴史が、ミニチュアなどを用いてものすごく分かりやすくまとめられています。本当にわかりやすくできていて、すっかり勉強してしまいました。博物館の一番奥にはゴマフアザラシの毛皮が「そのまんま」びっしりと敷き詰められ、毛皮で出来たクッションが置いてあるた「ゴマフの間」があります。寝そべってみると意外に毛が堅い。ちくちくします。

ごまふモード ちなみにこのゴマフアザラシの「そのまんま」の毛皮は、「銀座」のおみやげ屋さんで購入できます。各種アザラシやトナカイの毛皮の他、白熊の頭付きの敷物(きっと玄関に置いておけば、押し売り対策には成る)や、こんな「ごまふモード」なコートなんかも売っています。ミンクにもロシアンセーブルにも飽きた貴方にぴったり♪。しかも安いし。

白熊 それにしてもこの博物館にはいろんな動物の模型?剥製?が展示されています。オキアミから白熊まで。本当に多彩です。白熊なんか大迫力で今にも食われそうな感じ。ちなみに許可を得てとっていますので、まねはしないようにお願いします。

白熊注意 ちなみに、白熊ですが、Longyearbyenでは、冬になると冗談抜きで街の中にも現れたりするそうです。こんなポスターもホテルに貼られていますし、旅行案内にも「居住地区から外部に出るときには、ライフルの携帯を強く勧める。なお、取り扱いになれておくことも強く勧める。」と書かれていたりします。いや、勧められても...。

ライフル売ります たしかに、スーパーの入り口にある(北欧ではよく見かける)「売ります買いますコーナー」では、こんな具合にスノーモービル・テントと並んで、ライフルも売られています。しかも沢山問い合わせカードがちぎられていて、×が書かれていますので、きっといい値段で売れたんでしょう。日本だったら確実にお巡りさんが飛んできます。

ライフル持ち込み禁止 銀行の入り口には「ライフル持ち込み禁止」の標識が。ま、そりゃそうですわな。でもここだったらほんとに悪気無く持ち込んでしまう人がいそうです。日本でこんなの貼っても効果ないでしょうけど。持ち込む人は持ち込むでしょうから

熊注意 街はずれぐらいに行くと、白熊注意の看板が立っています。本当にここは白熊の天国のようです。今は夏ですから滅多に見かけないんだそうですが、この時期に出会うと結構凶暴とのこと。

トナカイ それにしてもここは本当に自然の王国。街の中でも街はずれでも、一番偉そうなのはトナカイ。常に悠然と草をはんでいます。このトナカイ、フィンランド=ラップランドのトナカイの写真と見比べていただけると何となく分かると思いますが、鼻が低くて足が短く、毛が長くてずんぐりむっくりしています。赤鼻のトナカイならぬ、豚鼻のトナカイ。

鴨 道路でもエライのは動物たち。車が近づいてきているのに、鴨が悠然と道路の真ん中に座り込んでいたりします。こちらは待つ他有りません。

名も無き花? 足下に目をやると、地衣類(?)の花が群生しています。「名も無き花」とやると植物学者の方に怒られそうですが、あちらもこちらもこんな感じ。我々にはあまり馴染みのない花がぽつぽつと可憐に咲いています。

緑がくるまであと少し 今は山々もこんな感じですが、あと2週間もすると沸き立つように緑が山肌を上っていくのだとか。きっと美しい景色なんでしょうね。それはそれで見てみたい気がします。きっと夏のアイスランドみたいなんだろうなぁと想像してみたり。

対岸を望む 周りをぐるっと見回してみると、雪をたたえた山々が圧倒的な存在感でそびえ立っています。レンタカー屋の兄ちゃんに教えてもらった、空港の上の第三探鉱跡からフィヨルドの対岸を望むと氷河をたたえた美しい山々が連なっています。気温は6度とオウルの4月頃の様相で少し肌寒くはあるのですが、こういう景色を見せられると思わず寒さも忘れてしまう感じです。

いよいよ出発 さて、今夜はナイトクルーズでこの対岸へ向かいます。乗るのはこの小さい船。午後8時にホテルに迎えがやってきて出発。ナイトクルーズと行っても太陽は煌々と照っています。ここではこの時期「夜」なんてものは存在しません。

太陽に向かって進む 船は沈むことのない太陽の方向へ向かってひた走ります。本当に光の橋の上を進んでいる感じ、何となく幻想的です。

キャプテンシート 船の中は割と自由に移動させてもらえます。妻はキャプテンシートに座らせてもらってご機嫌。寒い寒いと聞いていましたので、ご覧の通り上から下までスキーウェアを着て寒さ対策ばっちり。本当にこうしておかないと、後で外に出て氷河を眺めるときには寒いこと請け合いです。

甲板から ところがどっこい、船の中は十分暖めてあります。ラップランドの気候に慣れた体にはこれが暑い。しかも私はそれほど船が得意ではないときていますので、暑さとちょっとした揺れで気分が悪くなってしまいました。仕方がないので、上着を脱いで、甲板の椅子に腰掛けて涼をとることにしました。遠くにフィヨルドの出口を眺めながら、近くで波と戯れている鳥たちを眺めていると何となく気分が良くなって、そのままうつらうつら。ちなみに海は「べた凪」です。

ついに氷河が そうこうしながら約2時間。フィヨルドの対岸、 Bore Gracier (Bore氷河) が見えてきました。本当に氷が海に向かって流れ込んでいる姿がよく分かります。悠然とそこにあるという言葉がぴったりです。

湾の中は静か 氷河が流れ込む湾の中にはいると水は鏡のように静か。氷河が水面に映り、そこに氷河から流れ出した流氷が静かに浮かんでいます。

氷の上にはアザラシ 氷の上には大量のアザラシが寝そべってます。この写真で分かりますかね? 氷の上、中央付近に移っている黒い点群がアザラシの群れです。ツアーコンダクターによると、これだけアザラシがいると言うことは周辺に白熊がいないと言うことを意味するのだそうで、まずは氷上のアザラシを探して、アザラシがいなければ白熊を探すのがセオリーだとか。「今日は白熊は見られないね、残念。」とのことですが、カナダで船をチャーターまでしてアザラシを見に行ったアザラシフリークの妻としては大満足のようです。デジタルカメラの二倍ズームですとこれが限界ですが、双眼鏡を使うとアザラシの様子が見て取れます。

北極飯 で、アザラシを眺めた後は、船上バーベキュー。ツアーによっては "if weather and bear condition allows" 氷の上に下りてバーベキューするものもあるようですが、このツアーでは下りるオプションはなし。でも、快晴の空の下、白い氷河に囲まれて、静かな海の上で食べる「北極飯」は最高!そんな特別な料理じゃないですが、本当に大満足です。いやぁ、本当に来て良かった。

ツアーコンダクターによると、この時期昼間は天気が悪くて、夜快晴と言うことが多いんだそうですが、「まぁ、どうせ日も沈まないし、昼寝て夜遊べばいいんだよ」とのこと。確かにそうかも。今日もツアーが始まってからとってもいい天気になりました。

到着 戻りは船内で、船員さん達とお話をしながら、うつらうつらしながらの帰港となりました。ツアーのサイズに対して船員の多いこと。殆ど趣味じゃないかと思うぐらい。何人かは冬はTromso(トロムソ)などの本国に住んでいて夏だけの出稼ぎ。何人かは「ここの自然が気に入って」移住した人たち、そして何人かはオリジナルに島育ち。みんなそれぞれにこの島を愛しているのが、お話の端々から分かります。「なぜSpitsbergenに住んでいるかって?そりゃ美しいからさ!」と言われると、さもありなんという感じです。オウルに住んでいても常に感じますが、大阪という大都会の汚れが更に洗い流されていく感じです。どこぞの製薬会社のコマーシャルのようですが、まさに「自然はでっかいホスピタル」です。