Helsingin Kesä

Kamppi

ヘルシンキの夏

2006年6月16日金曜日

ちょっとした仕事で、ヘルシンキに飛んできました。今日も日帰り出張。目的は会議一つ。しかも決まったのは数日前。エライ日本的なばたばたモードです。オウルからヘルシンキまでは飛行機で1時間。ということは大阪から東京へ行くようなものなのですが、日本の新幹線のようにひっきりなしに運行していて、いつでも飛び乗れるような電車があるわけではありませんから、飛行機で来るほかありません。フィンランド国鉄VR (Valtio Rautaitie) の誇る高速列車 Pendrino に乗っても、オウルからヘルシンキまでは最短でも5時間45分もかかってしまいます。日本って便利だなぁと思います。

本日用事があるのは、ヘルシンキのお隣、Espoo(エスポー)市Hanasaari(ハナサーリ)の会議場なのですが、適当な時間のフライトがなく、早めの便で来てしまったので、ちょっと会議までには時間があります。そこで、ちょっとヘルシンキ中心部のKamppi(カンピ)に立ち寄ります。ここは、ヘルシンキ中心のバスセンター。1994年にヘルシンキ工科大学に留学していた頃には吹きっさらしのだだっ広いバスターミナルでしたが、昨年一階と地下にバスターミナルを持つこんなに立派な5階建てのショッピングセンターが出来ました。これができたおかげでヘルシンキのこの地区の雰囲気は一変した感じです。何となく場末感が漂っていたのが、一気に中心街ムードになりました。カンピの中にはマッサージセンターからインターネットカフェ、各種ブティックにレストランと、一通りのものが揃っています。去年来たときにはまだ何もありませんでしたから、ちょっとした見物をします。

すし 一通り見物した後は、お昼ご飯。Kamppiの一階のフードモールにある「一番寿司」でランチを頂きます。この「一番寿司」昔からヘルシンキにある日本料理屋さんですが、ここにも支店を構えたようです。鮭ぐらいしかいいネタがありませんから、やたらめったら鮭が多いのはご愛敬ですが、結構まっとうなお寿司です。ひっさしぶりぃ♪。手で寿司を持って食べていたら、周りのフィンランド人がぎょっとした顔をして眺めていましたけれど。だから寿司は手で食うもんなんだってば。

腹ごしらえをしてからバスに乗り込みます。それにしてもヘルシンキのバスは何となく古い。オウルと違って複数のバス会社がバスを走らせていて、しかも市から補助が出ているというのに、なんかバスが古くさい感じです。次のバス停を示す電光掲示板もないので、運転手さんに「ここで降りるから教えて」と頼まざるを得ません。 オウルカード まぁ、オウルは並はずれて進んだところで、1992年1月7日、世界で初めて非接触型ICカード、所謂スマートカードを交通チケットに採用したりしていますから、特別かも知れません。「うそぉ」という方は、こちらの Koskilinjat OY の歴史のページをご覧下さい。ちゃーんと書いてありますから。 読み取り機 私は1998年に初めてオウルに来たのですが、その時にはかなり多くの人がこの運転席の横の壁に付いている読み取り機で「ピッ♪」とやってバスに乗るのを見て、「アレなんだろう」と思った記憶があります。日本のスマートカードの代表格SUICAが導入されたのが2001年11月18日ですから、オウルのスマートカード導入がずいぶん早かったことが分かります。さすがは Hi-Tech City Oulu といったところでしょうか。現在ではこの「オウルカード」を「名前入り」で購入すると、後で定期券にも出来ますし、一日乗車券にも出来ます。もちろん事前チャージして回数券として使ってもOK。オウルでもヘルシンキでも、市内のバスは定額で1時間以内ならば乗り放題(乗り換え放題)なのですが、このカードはもちろんその辺もちゃんと考慮して課金処理をしています。

ベビーカースペース もう一つ、フィンランドのバスで感心させられるのが、このベビーカースペース。これはオウルもヘルシンキも変わらないのですが、中央付近大きな扉の前は大きなスペースになっていて、ここにベビーカーや車いすが乗り込めるようになっています。オウルのバスもヘルシンキのバスも前乗りですが、ベビーカーは特別。後ろのドアから乗り込んで、ベビーカーを停めてからバス代を前に支払いに行きます。 ベビーカー降車ボタン しかもベビーカーを停めるためのシートベルトやら、ベビーカーの専用の降車ボタンまで用意されていたりします。車いす用というと、なんだか特別な施設のようですが、ベビーカー用というとみんなのもの。しかも、こういう構造になっているので、赤ん坊を連れて外出するのもとっても簡単です。前にも書きましたけど、こういうちょっとしたこと、でも社会的取り組みの積み重ねが、子供を育てやすい社会を作るんだなぁとおもいます。

夏のotaniemi それにしても、すっかり夏の様相。バスから望む対岸のフィンランド第一の学研都市エスポー市 Otaniemi(オタニエミ)も太陽を浴びて光り輝いています。オタニエミにはヘルシンキ工科大学 (Teknillinen Korkeakoulu) を中心にノキアのヘッドクォータを含む多くの研究期間が集まっています。ハイテクフィンランドの心臓部です。でも、入り江に囲まれたこんなきれいなところ。同じくハイテク都市オウル市Linnanmaa(リンナンマー)も森と湖に囲まれた静かな場所。外見からは決してハイテク研究の中心部には見えません。フィンランドにいつ来てもつくづく感じるのですが、本当の革新的閃きはこういう心の余裕のある所でしか生まれないのかも知れないなぁという気がします。

白鳥 一仕事終わって、ふと入り江を見ると、優雅に白鳥が泳いでいました。フィンランドは渡り鳥の中継地点。その中でもオウルは最も有名な渡り鳥の繁殖中継地点の一つですので、沢山の渡り鳥が町中を飛び回っています。今週に入ってオウルでも燕を見るようになりました。燕は日本では春を告げる取りですが、オウルでは一番最後にやってくる渡り鳥。燕が来たと言うことは、とうとうラップランドにも夏が来たと言うことを意味します。


中華鍋 おまけ 先日スーパーに行ったら、「冷凍中華野菜シリーズWOKを5袋買ったらWOK-pan(中華鍋)プレゼント」をやっていました。箱の中を覗いたら、立派な中華鍋の柄になんか日本語が書いてある。また訳の分からない日本語を書いてるんだろうなぁと思って覗いてみると…。

ぱそ 「一番のパソ」!!ありゃぁ、「ぱそ」ですか!!!これはなんぼなんでもひどいよなぁ。大量に作ってから間違えに気がついたから、「おまけ」にしたのかも知れないなぁと想像し見たり。真相は闇の中ですが…。