Automatka Jatkuu

国境の標識

続レンタカーの旅

2006年5月28日日曜日

昨日に続いて今日もせっかくのレンタカーを使ってお出かけ。まずはオウルのベッドタウンを見ようと言うことで、Jääli(ヤーリ)、Kiiminki(キーミンキ)Ouluの北西方向に進路をとった後、ここで北東方向に進路を変えてHaukipudas(ハウキプダス)を目指します。当初はここで南に進路を取り直して、OULUに帰るかと思っていたのですが、結構あっという間に通り過ぎてしまいました。そこで、「時間もあるけどどうする?」と相談した結果、「OK、Haaparanta(ハーパランタ)まで行こうか」という話になりました。

そこで、Haukipudasから高速E75号線を北に進路をとって、後は道に沿って淡々と進みます。 整備された高速 Lumilinnaを見に行ったKemi(ケミ)の街を通り過ぎると、そこからはフィンランドで最もよく整備された高速道路。時速120kmで快調にとばせば、Tornio(トルニオ)の街はあっという間です。Tornioから川を渡った向かい側に目指すHaaparantaは有ります。

このHaaparantaという街、フィンランド=スウェーデン国境にある、スウェーデン側の小さな街です。スウェーデン語ではHaparanda(ハパランダ)と呼ばれます。オウルからの距離は130km。こんな感じで高速道路を進んでくると、あっという間にたどり着きます。

国境管理施設 扉の写真の"Ruotsi(スウェーデン)"の標識の後、「小型車」「Nothing to Declare」と標識の示すとおりに走っていって、右に国境管理施設を眺めながら通り過ぎると、あっという間にスウェーデンです。元々北欧はお互いにオープンボーダでやってきた国々ですし、EUに成って以降、国境のパスポートコントロールはほぼありませんから、国境を越えると言っても簡単なもの。気がつかなければあっという間に国境を越えてしまいます。

ハーパランタの町 国境を越えたところで、殆ど雰囲気は変わりません。フィンランドのどこででも見るような景色が広がっています。ちょっと違うかなと言えば、少し街が古びている感じがすることぐらいでしょうか。

スウェーデン名物エビのオープンサンド 到着がお昼少し過ぎたところと言うことで、まずは腹ごしらえ。スウェーデン名物小エビのオープンサンドを頂きます。この辺はスウェーデンだなぁという感じで、食べ物のイメージが何となく変わります。ちなみに、北欧でユーロに通貨を切り換えたのはフィンランドだけ。スウェーデンではKr (クローネ)が通過になります。ただしこの街ではほぼどちらでも利用が可能です。でも面倒なので、カード決済。フィンランドで使えるカードは当然どれでもこの街で使用が可能です。なお、フィンランドでは、例えゴールドカードであっても、ブラックカード(持ったこと無いですが)であっても、50€以上の買い物をする際には必ず「身分証明書」の提示が求められます。一般的にフィンランドで身分証明書というとKELAカードと呼ばれる保険者登録カードを意味しますが、外国人であるとそんなカードを持っているはずもなく、パスポートを提示することになります。事情を分かっていない店だと、パスポートを提示しても、カードが違うと言って買い物すらさせてくれないことも起こります。少なくとも北欧を旅行される際には、カードでのお買い物の際は、パスポートをすぐ出せるところに携帯しておいて下さい。よく揉め事になりますが、こればかりは法律ですのでどうしようもありません。

チーズ この街にフィンランド人がくる主な理由は買い出し。その昔、まだEUがなかった頃は、ここで買い物をしてフィンランドに持ち帰ると免税。フィンランドは消費税22%の国ですから、当然ながら安く買い物が出来てしまうわけです。更にそれより昔は「配給制」だった時代もあり、コーヒーなどの嗜好品は国境を越えて買いに来る必要がありました。フィンランドがIT先進国として豊かになったのは、たかだかここ20年ぐらいのことですからね。

チーズ? 最近はフィンランドにない物を買いに来るところです。スウェーデンのビールやら、ソーセージやら。味の指向がフィンランドとスウェーデンでは大きく異なりますので、商品ラインナップが自ずと変わってきます。ソーセージも塩気があっておいしいですし。中にはこんな、「大豆で出来たチェダーチーズ」のような際物もありますが、一般的に商品の質はいいようです。その昔シラク仏大統領がオリンピックの誘致を巡って「イギリスのような食べ物のまずい国でやる必要はない」と言ったと伝えられていますが、実は正確には「イギリスのような、フィンランドに次いで食べ物のまずい国でやる必要はない」と言っているんですね。フィンランドは食べ物がおいしくないというのは、ヨーロッパの共通認識な様で。

フィンランドへ お買い物が済んだら、フィンランドへ。矢印に沿ってちょっと走れば、フィンランド側の国境の町Tornioに戻ってきます。

トルニオの教会 Tornioの方も国境沿いの小さな町ですが、Haaparantaが何となく寂れているのと比べて、全体的に新しい感じがする町です。それもそのはず、KEMI=TORNIO間の高速道路もそうですが、国境の町と言うことで、フィンランドが一定のお化粧をしているんですね。

ビール工場 それに加えて、きてみて初めて知ったのですが、フィンランドで割合広く売られているビールブランドLapin Kultaの工場がありました。こういう産業があることもこの街の雰囲気を支えているんでしょう。このブランド、昔西友が輸入を試みたことがありましたが、あっという間になくなってしまいました。個人的には嫌いではないのですが、「水みたいなビール」ということで、日本人にはもう一つうけなかったようです。

郊外のレストラン 帰りはオウルまで一直線。ただし、オウル市内で食べるとちょっとご飯が高くなりますので、 Haukipudasという郊外の住宅地で、友達に教えてもらった馬小屋を改造したレストランで晩ご飯にすることにしました。このレストラン、店の名前も連絡先も明確に分かっていないので、いい加減な情報ですが、近所の方や近所までこられた方でご興味のある方はトライしてみてください。地球の歩き方からオウルが無くなって久しいですから、情報を出す先もありませんが、ご参考まで。

フィンランドでも探せばいいレストランはいくつも見つけられます。ガイドブックに載っているレストランが、必ずおいしいとは限りません。