夏至がすぎてから、25度以上の暑い日が続いています。「なにが〜」という声が聞こえてきそうですが、いや本当に暑いんですって。
フィンランド人にとって25度というのは猛暑の部類に入ります。町を歩くと短パン一枚で自転車に乗る人、殆ど水着のような格好をした女性に出会います。道ばたでは人々が日焼けしようと寝そべっています。
もちろん日本人の私にとって、乾燥した状況での25度というのは決して猛暑ではありません。外を歩いているとむしろ気持ちいいぐらいです。
じゃ何が問題かというと、問題は中。フィンランドのインフラは全て冬向きに作られていますので、熱がたまるように出来ています。窓が広くて3重、しかも開く窓はたったのこれだけ、これでは熱がたまっても逃げるところがありません。
だから家の中にいると暑い暑い。これではたまりません。 |
町を歩いていると、こんな風にベランダを一面ガラス張りにしている家も見かけます。冬は気持ちいいんでしょうが、夏のこの時期に、一日中沈まない太陽の光をこんな所に一杯に取り込んだらただの温室です。実際夏場にここにいる人は殆ど見かけません。 |
じゃ、フィンランド人が夏をどこで過ごしているかというと、外です。お昼休みに道を歩いていると、すぐ横の芝生の中で昼寝をしている人をよく見かけます。町を歩いていると殆どのレストランとバーでは、外の机で涼を取りながら食事を楽しむ人で一杯です。とりあえず暑い建物の中には誰もいません。
暑いのは決して家の中だけではありません。一番最低なのはバス。窓が大きくて、いっさい開きません。当然冷房なんてしゃれたものは付いていません。バスに10分も乗っていると頭が朦朧としてきます。冷房もなく、窓も開かないので、暑くなっても涼を採る方法がありません。あんまり暑い日には仕方がないので、唯一の外気を取り込める口、ドアを開けたままバスは疾走します。
実際、夏になるとバスを使う人が激減するのに併せて、バスの運行頻度も5分の1ぐらいまで減少します。太陽の沈まない夏の交通手段は自転車。
オウルの町は非常に自転車に優しく作られています。郊外の車道を走っていると、全くと言っていいほど歩道を見かけません。当然横断歩道も見かけません。
自転車道路は、自動車道路とは全く別の場所に森の中を抜けて整備されていて、車道の上を下をこんな風に抜けていきます。殆ど車を気にすることなく走れるわけです。 冬になると、除雪車が入ってちゃんと自転車道路も除雪してきますので、冬場でも自転車で通勤している人がいます。-40度の中、ドリフトさせながら自転車に乗る人の姿は一見の価値ありです。 |
それにしても、あづい。冷房がかかっているところがないので、逃げ場がありません。ただひたすら耐えるしかありません。日本の夏のほうが遙かに暑いですが、逃げ場があるだけましなのかもしれないなと思う今日この頃です。