フィンランドで様々な手続きをするためには、KELAナンバーといわれる番号を取得しなければなりません。これがないと本当は銀行口座も開けません。
(本当はと書いたのは、フィンランドに来る前に銀行口座を開設する場合などはとりあえず口座が開設できるようですし、以前ヘルシンキ工科大学に来たときは、どういうルートで保証されたのか(IAESTEかなぁ?)、何もせずにいきなり銀行口座を開いて閉められたんだけど。)
英語で言うと"Social Security Number"。社会保険番号と訳せますが、社会保険を受ける際に主に使われるものの、いわば国民総背番号制がすでに布かれていると考えた方がわかりやすそうです。
これを得るためには、まず住民登録をしに行く必要があります。町の役所に出かけていって、住民登録をするのですが、これが結構面倒。いわば国勢調査みたいな書類を埋めて行かなくてはなりません。
パスポート、ビザ、申請書を出すと、「じゃ、郵便で番号送るから」といわれてこの日はこれまで。郵便の手続きもついでにしてくれましたが。
数日すると、誕生日+ハイフン+4桁の番号が書かれた郵便物が家に届けられます。これがKELAナンバー。
次はこれと、大学からもらった契約に関する書類を持って、まず銀行へ。銀行口座を開設。この国には通帳はないようで、銀行カードだけをくれます。頼めばこれが「VISAカード」+「デビットカード」をつけてくれますが、日本から持ってきたVISAが使えるので特に頼まず。でも、たまに(機械のせいだろうけど)カードを受け付けてくれなかったりするので、作っておくことをおすすめします。最近、失敗したなぁと思うことしきり。ついでにインターネットバンキングも頼めます。
次に、税務署(Verotoimisto)へ。税務署に口座を届け出ておくと、税金の戻りを返してくれるというはなしだったのですが…。
係官が私のパスポートを見るなり、"Japanese? I think we may have special taxation policy for Japanese. Just a moment."というなり奥へ引っ込んでしまいました。しばらくすると戻ってきて、
"You have no need to pay income tax here"
え? はらわなくていいの? 何でも日本とフィンランドの間には租税条約が結ばれていて、以下の条件を満たす日本国籍を持つものはフィンランドでは課税されないとのこと。
詳しくはこちらに公式の文書がありますので、参照してください。6ヶ月以下の滞在だとどうとか、学生だとどうとか、いろいろ他にも条件があります。大使館ではこんなこと教えてくれなかったよなぁ…。
「ちょっと待て、他の国はどうなんだ?? 何年からこの条約は存在するんだ」と聞いてみると、フランス、イギリスその他諸々。しかも日本とフィンランドが条約を結んだのは1972年。
ということで、フランスから来てる研究員などは「税金を返せ、説明がなかった」と詰め寄っているようです。私も、「1994年のヘルシンキ工科大学では、学生割引すらなくフルで税金取られてたよなぁ。証明書類ないしなぁ。返してくれる方法ないかなぁ。はした金(日本では課税対象にならない、どころか本当にお小遣い程度)だったけど、あのとき税金取られてなければもっと遊べたよなぁ。」等と思うことしきり…。
なお最後は、KELAナンバー、税務署の書類、銀行口座を大学に提出して終わり。今回僕は一年以下の滞在なのでKELAカードは取得せず。
なお、ここに詳しく手続きのはなしが書かれています。日本語のページもいくつかあります。"KELAカード"をキーワードとしてサーチすればいろいろ見つかるはずです。
社会保障がしっかりしてるからいいようなものの、22%のVAT(消費税)といい。税金の高い国ですなぁ。(4月1日追記)