Hailuoto

ハイルオトの灯台

ハイルオト

2006年9月16日土曜日

3度 すっかり秋の気配になってきました。冷たい雨が降り続いて、昨日15日の最低気温はとうとう0度、朝起きて寒暖計を見ると3度を指していました。もう冬へまっしぐらと言うところでしょうか。

Micra さて、今日は夏の間「行かないといけないよなぁ」と言い続けていた、オウルの沖に浮かぶ島、ハイルオトにドライブに行くことにしました。今回借りたのは、ご存じ日産マーチ。欧米ではMicra(マイクラ)という名前で知られています。これがフィンランドで借りられる一番小さなサイズですので、今までもこの車を要求していたのですが、「特別にワンクラス上の車にしておくよ」と、毎回毎回起亜自動車のRIOが出てきていました。起亜自動車はフィンランド国内で激しいキャンペーンを打っていますので、きっと安く手に入ったからなんだろうとは思うんですが、やっぱり久しぶりにMicraに乗ってみると、日本車は優秀。運転のし易さが格段に違います。

標識 OuluからHiluotoまでは、60キロあまりの行程、まずはOulunsalo方面へすすみ、Oulu空港の手前で右折をして国道フェリーの乗り場へ向かいます。あまりにもリアリティが高くて思わず身震いするような標識が見えてくると、国道フェリーの乗り場はもうすぐです。

国道フェリー Hiluotoまでは夏はフェリーで、冬は凍った海の上を通る国道を通って渡ることが出来ます。半島の先まで来ると、国道フェリーがのんびり待っています。一瞬「ゲート?」と思ってしまいますが。これが立派な国道フェリー。

もう一隻 その証拠に、しばらく待っていると、沖の方からもう一隻の船が、オウル=ハイルオト間の路線バスを乗せてやってきます。こうやってみると、「浮かびさえすれば、どんな形をしていてもいいんだなぁ、船というやつは」と思ってしまいます。これも波の穏やかなボツニア湾の奥の方だからこそなせる技なのかも知れませんが。

誰もいない海 さて、この島、何で有名かというと、新鮮自慢のフィッシュマーケットと、海水浴。フィンランドは岩が隆起して出来た国で、今も継続的に隆起を続けているところですから、砂浜は希。でも、この島は全体が砂で出来ている状態で、海水浴に適したビーチが島を囲むようにありますので、「海水浴ならハイルオト」というのがオウルっ子の常識です。でも、さすがにもう泳いでいる人もいなければ、漁港も静かなものです。今日は風が強いですから、このボツニア湾の奥でも波頭が白く立っています。まさに、♪今はぁ〜もう秋ぃ〜。だれもぉ〜いない海ぃ〜♪といった感じ。

エミュー牧場 もう一つが、「何でこんな所にわざわざ」と思わせる、エミュー牧場。なんでもエミュー油なる物をとって売っているんだとか。もちろん観光用にもオープンしています。

閉店 でも、こちらも営業は夏の間だけ。行ってみると見事に閉まっていました。もちろんエミューは中で飼ってるんでしょうけど、観光営業は無し。やっぱり今はもう秋。観光シーズンはすっかり終わっています。

鳥見櫓 ま、色々イベントはありますが、この島の最大の魅力は実はバードウォッチング。オウルは渡り鳥の有数の営巣地。その中でもハイルオトの真ん中には大きな沼地があって、渡り鳥の天国になっています。営巣地の周りには、いくつかこんなLinttutorni(リントゥトルニ:鳥見櫓)があって、

沼地 広大な沼地で、

渡り鳥 こんな風にくつろいでいる鳥の姿を見ることが出来ます。でも、鳥の姿もすっかり減りました。もう秋。渡り鳥は殆ど帰ってしまいました。カイヨンハルユでも一時はそこら中を鳥が飛び交っていましたが、いつの間にかすっかり姿を見なくなりました。

飛行場 そんなこんなで、あちらこちらをふらふら走りながら、地図を眺めていたら、「飛行場」の文字が。「へぇ、こんな所に飛行場がぁ」と思って、とりあえず地図を見ながら砂利道を走り抜けていくと、突き当たりに"lentokenttä (飛行場)"と書いた看板が。

滑走路? 「え、どこ?」と思いながらきょろきょろながめていると、目の前の細長〜い荒れ地にはぽつぽつと目印らしきものが。どうやら目の前のこれそのものが飛行場。確かに距離は十分ありそうですが、これでは普通の飛行機は降りられないでしょう。舗装されていないこんな空港、はじめてみました。ヨーロッパにこんな所があるとは。雪が降ってしまえば、降りられるようになるのかなぁ。

秋 それにしてもすっかり秋色。森の下草もすっかり色づきました。もう、雪が降るまで間がない感じです。

お楽しみ ラップランドの下草といえば、ハイルオトの森にもいっぱいあるトナカイゴケ。島の売店では、色を付けたトナカイゴケがおみやげとして売られていました。秋色に染まったトナカイゴケが、夏色のトナカイゴケの中に入ると、なんだかいい感じです。

夜のお楽しみ 秋になって、日が長くなりました。日が長くなって、冬のお楽しみが戻ってきました。今はもう秋。静かに冬の訪れを待つばかりです。