Ruska...ko?

紅葉?

紅葉...?

2006年8月12日土曜日

秋です。既に夜はほぼ真っ暗になるようになり、大学も夏休みが開けて職員が戻って来始めました。まだ学生が戻ってくるまでには間がありますが、新学期が始動したなぁというムードが出てきました。丁度日本はお盆に入る所のようですが、フィンランドは既に夏を通り越して秋学期に流れ込んだという感じです。大学前のバス通り沿いの白樺並木も茶色い木の葉を落としはじめています。

茶色い? あれ? 白樺の紅葉の色は黄色のはず...。

色づいた実 通り沿いに白い花を咲かせていた、Pihilaja(ピヒラヤ・ナナカマド)の実も色づきはじめました。秋は収穫の季節。スーパーに行くと、ベリー詰みの道具と共に、キノコの説明書が所狭しと並べられています。キノコもフィンランドの秋の味覚の代表選手ですが、年に数人あたる方がおられますから、これは重要な情報です。ま、日本のふぐ同様、ラップランドにはおいしい毒キノコがありますので、知っていてあたる人もいるのかも知れません。冷水に一日晒して、何回も茹でこぼして、十分に毒抜きしてからでないと食べられませんから。

それにしても、さっきからなんか汗ばむなぁ...。ここのところ寝苦しいし...。

30度 窓の外の寒暖計を見ると、30度。日本は37-8度だそうですから、涼しいものです...って、30度???

この時期の平均(例えば去年)からすると、大体5-6度高いでしょうか。夜の気温が26度とかですから、こちらは平年からすると10度ぐらい高い。なんかここへきて異常に暑いんですよ。ちょっと前は10度を切る日もあったので、よけい体に応えます。しかもフィンランドの家屋は冬向きに出来ていますから、建物の中にいると逃れようがありません。暑い暑い。

枯れた木 しかし、もっと問題なのは、こっち。ここ一月殆ど雨が降っていません。完全な水不足です。この水不足、ヨーロッパ全土に広がっていて、ポルトガルやスペインでは山火事が止まらない状態になっていますし、ラップランドやカレリア共和国(ロシア側のフィンランド国境付近)でも山火事が多発しているようです。フィンランド全土に乾燥注意報がでている状態が、ずっと続いています。オウルの街でもこんな風に枯れる木が続出してきています。この時期に芝生がこれだけ茶色いのも異常。見るも無惨な状態です。道路沿いの白樺も、枯れるところまでは至っていないものの、葉っぱが乾燥に耐えきれずに枯れて落ちてきてしまっています。一件美しい秋の夕暮れのようですが、実際は悲惨な状態です。

枯れた湖 家の近くの湖に行ってみてもこんな感じ。真ん中から手前の木の根本辺りまでの所は湖底が出てしまっている状態です。これでは夏頃に湖の縁を悠々と泳いでいたカワウソも大変に違いありません。水温が高すぎるために漁もふるわないそうで、オウル郊外のHailuoto(ハイルオト)島の魚市場に出かけた友人の話では、薫製の魚が数匹出ていただけだとか。例年この時期はにぎわうんですが...。

近所のスーパーの前 これから9月の半ば頃にかけて、ラップランドはRuska(紅葉)の季節。地面の苔から白樺の木々の枝まで見事に様々な色に紅葉して、それはそれは美しい姿を見せてくれるのですが、今年はこの状況だとつらいかも知れません。地球温暖化が言われて久しいですが、これもその影響なのでしょうか。日本に6月に降りすぎた雨の一割でも降ってくれればずいぶん違うんでしょうが。森と湖の国もこれでは形無しです。