Marjat Marjat

ベリー

ベリー ベリー

2006年7月29日土曜日

街はすっかり秋の気配です。フィンランドの秋の味覚といえばベリー。色とりどりのベリーが森の中になり、冬のビタミン源確保のためにベリーを摘む季節がやってきました。森の中にベリーはなりますが、フィンランドの街は森の中に隠れるようにあり、街と森が入り合っている状態ですので、そこここの道ばたに普通にベリーがなっています。

ラップランドの森の中 ラップランドの森の中に入り込むと、こんな感じ。写真を見ていただくと、赤い点々がそこここにあるのが分かると思いますが、これがベリー。更に近づいてみると、トップの写真のようにPuolukka(プオルッカ、リンゴンベリー)が白いトナカイ苔の間に生えているのが分かります。

ブルーベリー 他の所に眼を移すとMustikka(ムスティッカ、ブルーベリー)がなっています。本当にちょっと森にはいるとあっちもこっちもベリーだらけです。

クラウドベリー? 更にラップランドの奥地に入り込むと、出会えるのが、こちらのLakka(ラッカ、アークティッククラウドベリー)。非常に貴重品という扱いのベリーです。しかも、ベルグマンの法則が適用されて、こんなに巨大。周りの木々も圧倒しています(笑)。

フィンランドの法律では、自然物は土地の所有者には帰属せず、収穫者に帰属しますから、基本的にベリーは摘んだ人の物。森の中やら道ばたやらで、ベリーを摘んで持って帰る人にちょこちょこ出会います。

摘んだベリー 例外は人の土地の中でも「庭」に当たる部分にある植物。ここに生えているものは、自然物なんだか耕作物なんだか区別がつきませんから、土地の所有者のものになります。今日は妻は友人の奥さんのお招きを受けて、このお庭のベリーを摘みに出かけてきました。1時間庭のベリーを摘んで、土方弁当(といって分かる人がどれくらいおられるか不安ですが)二箱分を女性二人の手で摘んで帰ってきました。これでも全然摘み切れてないんだとか。確かに昔ラップランドの森に入ってベリー摘みをしたときには、1時間で男二人で、バケツ二杯分のベリー(と二杯分のキノコ)が収穫できましたから、庭に群生しているんならば、あっという間にそれぐらいにはなりそうです。

ジャム作り 摘んだベリーは生のまま食べてもおいしいですし、冬に向けて冷凍保存しても、ジャムにしてもOKです。妻は早速摘んできたベリーをジャムにするべく鍋に入れて煮始めました。煮込んでつぶしてジャムにするんだそうです。絞って汁だけをとってジャムにするのもありですが、やっぱりベリーが直接感じられる方がおいしいですから、こうやって煮つぶした方がいいジャムになります。スーパーにはちゃんとベリーを時間をかけて濾すための道具が、ベリーを茂みから掻き取るための櫛状の道具と並んで売られていたりするのですが。

ジャム用砂糖 スーパーで手に入るベリー関連商品で面白いのがこのHillosokeri(ヒッロソケリ)と呼ばれるジャム用砂糖。ジャムを作るのに最適なように、砂糖に保存料とペクチンが最初から入っている優れものです。これを使うだけでつやつやのおいしいジャムが簡単にできてしまいます。さすがにジャムを作るのが当たり前のお土地柄といった感じです。

できあがり ということで、数時間であっけなくジャムはできあがり。瓶に入れて蓋をして、半分をベリーを分けてくれたおうちに「おため」と相成りました。できあがったジャムはやっぱり市販のものと違ってフレッシュ感があります。パンに付けても、アイスと一緒に食べても、ヨーグルトと一緒に食べても最高です。やっぱり秋は実りの季節という感じですね。