Helsingiin

ヘルシンキ駅

ヘルシンキへ

2006年5月9日火曜日

今日はフィンランドに来てから初めての出張。首都であるヘルシンキに向かいます。今日の目的は日本での共同研究についての打合せをヘルシンキにある某企業と行うこと。フィンランドに来てからこちらでやってる仕事は殆ど日本関係です。海外研修できていてこんなんでいいんだろうかと思う毎日ですが。日本の仕事は私をどこまでも追いかけてきます。世界中どこへ行ってもIP reachableというのも良し悪しです。

オウルは北フィンランドの中心都市。オウル空港はフィンランドで二番目に乗降客数が多い空港で、多くのヘルシンキ行きのフライトと、数本のストックホルム(スウェーデン)行きのフライトが行き交っています。特に私が今日出発した朝7時頃は、出発ラッシュ。狭いオウル空港に三機の期待が並んで、忙しく人と荷物を積み下ろしています。まさにラッシュといった感じです。おかげで飛行機も結構とりにくい。今回の出張は割合急に決まったのですが、フライトをとるのに一苦労。オンラインEチケットで大あわてでとって何とか間に合ったと言うところです。

フィンランド=オウル間はフィンランド航空とスカンジナビア航空系のBlue1がしのぎを削っているところです。値段的にはBlue1の方がやや安めですが、フライトの時間が余りよろしくないと言うことでフィンランド航空の方が人気があるようです。しかもこのぐらい「良い時間」のフライトであれば、それほど価格には差がありません。ヘルシンキ=オウル=ヘルシンキという往復であれば、とんでもなく早朝の朝一番の便でオウルに来て、またとんでもなく深夜の最期の便でヘルシンキに帰れば、往復44€という破格の値段で往復することが出来ますが、オウルからだとそうはいきません。大体往復で200€前後が必要になります。この辺、値段、フライトの頻度、フライト時間、どれをとっても、丁度大阪=東京便ぐらいの感じでしょうか。

オウル空港のBlue1 とはいっても、そこは人口500万人の国。日本のようにジャンボジェットが往復していることはありません。本日私が乗るBlue1ヘルシンキ行きは、BritishAerospace社(現BAESYSTEMS社)製のAvroRJ100型機。100人乗り程度の期待です。ヨーロッパの国内線、あるいは欧州域内線の機体は大体こんな位の大きさですが。

気をつけないといけないのは、フィンランドの国内線は自由席だと言うこと。フィンランド国内線のフライトの搭乗券を見るとSEATのところにFreeと印刷されています。見慣れない方は一瞬「へ?」と思うはずです。とはいっても、最近はEチケット(クレジットカードとかフリークエントフライヤーカードがチケット代わりになるもの)が普通になってきたので、すっかり搭乗券そのものにお目にかかる機会が減ってきた感じがありますが。自由席ですから、もしダブルブッキングなど有ろう時には座れない場合も出てきます。ゲートが開いたらみんな早足で機体に向かいます。

大渋滞 ヘルシンキ=ヴァンター空港から市内までは、通常の路線バス(615番)か、フィンランド航空のリムジンバスで行くことになりますが、今回は急いでますからリムジンバス。午前8時過ぎにヘルシンキ空港に着いてすぐにやってきたバスに飛び乗りましたが、道路はかなりの渋滞です。ヘルシンキ市内まで、思いっきり1時間ほどかかりました。

地下鉄 ヘルシンキにはわずかながら地下鉄もあります。空港バスの終着地ヘルシンキ中央駅から地下鉄で目的地に向かいます。そんな広い町でもないですし、歩けなくはないんですが、何せ道路が混んでいますから、地下鉄は貴重です。フィンランドは岩盤の上に出来た国ですからヘルシンキの町も岩だらけ、地下鉄工事は相当大変だったんじゃないかと思われます。トンネルやら駅を見てても「岩を掘ってそのまま表面にコンクリを塗りたくった」感じの所によく出会います。

地下鉄も人で一杯 ヘルシンキ市内は、地下鉄も人で一杯です。通勤の足ですから当然ですが、沢山の人が駅から地上へと出ています。それにしてもこの地下鉄は深い。たった一つしかないのに何でこんなにと思うぐらい深いところを通っています。この先建設中のところで海をくぐるからなんだというお話を聞きましたが。

切符の説明 そうそう、地下鉄と言えば切符を買って乗らないといけませんが、フィンランドではこれも「携帯電話」で支払えるようになっています。これ説明板ですが、読めますでしょうか? 有る番号に指定された文面のSMS(ショートメッセージサービス、携帯メールと思ってください)を一通うつと返事が返ってきてこれが切符代わりになります。ヘルシンキ市内では市内交通は最初の乗車から1時間一定価格なのですが、1時間に一通SMSを送ればいいわけです。ちなみにいくつかの自動販売機では、ジュースもSMSで買うことが出来ます。これも同じ容量で説明通りSMSを打って5秒ぐらい待つと、目の前の自動販売機にお金を入れた状態に変わってジュースを買うことが出来るわけです。日本のICカード携帯も便利ですが、この仕掛けならばICカードすらいらない。かなり便利だと思いませんか?

仕事の方は順調に終わり、その後は海辺のレストランでお食事となりました。それにしても暑い。オウルでもこれで2週間半ほど18度越えの日々が続いていますが、ヘルシンキは23度前後になっているようです。はっきり言ってこの天気は5月のフィンランドでは異常。とんでもない暑さです。おかげで海辺のレストランも満員。太陽を浴びてみんな時間を楽しんでいる感じです。こんないい天気の時にばかばかしくて仕事なんかしてられるかと言ったところでしょうか。

大学前の白樺並木 これだけ暖かいと、一気に緑も芽吹きます。おかげですっかり北国の春。あちらもこちらも若葉と花が咲き乱れている感じです。日本はこの時期「杉花粉症」に苦しめられますが、フィンランドでは「白樺花粉症」に苦しめられます。若葉に見えますけど、これ殆ど花ですからね。白樺花粉症の同僚はすっかり目を赤くしていますし、私も何となく鼻がぐずぐず。杉花粉症はないですが、私檜花粉が駄目な人なので、やっぱり一定以上の影響を受けるようです。

ヘルシンキ空港のAVRO機 何はともあれ無事仕事を終えて、午後の便で大急ぎで白樺花粉の舞うオウルに戻ってきました。東京日帰り出張もたいがい疲れますが、ヘルシンキ日帰り出張もかなり疲れます。