9月 1日 町に百貨店がやってきた


色づいた木々と長い影 9月になって秋の気配がひたひたとやってきました。風が冷たくなり、太陽が低くなって、木々も色づいてきました。人によっては「もうオーロラを見たよ」という人までいます。まもなく、暗い、寒い、湿気が多い、秋の雨の季節がやってきます。フィンランド語で10月は「泥の月」、11月は「死人の月」。最悪の季節であることは間違いありません。
ところが秋の始まりの日の今日、町はものすごい活気に溢れています。特に特別なお祭りがあるわけでもありませんが、歩行者天国には沢山の露天が並び、沢山の人が押し掛けています。えらいにぎわいです。 町に溢れる人
ストックマン百貨店 それもそのはず。今日はオウル初の百貨店のグランドオープン。ヘルシンキにあるフィンランド最大の百貨店、ストックマンのオウル店が今日オープンです。

百貨店の勧誘計画は10年以上前からあったそうですが、オウル市がHigh-Tech Cityとして大いに発展を遂げ、国内外のメーカーの研究所施設がひしめき合うようになり、町の人口が大増加することで、初めて実現したのだそうです。

実際、オウル市は大きくなりました。6年前に友人を訪ねて初めてオウルに来たときとくらべると、目に見えて家の数が多くなっています。人口は既に12万人。オウル大学を目指す学生の数も格段に多くなり、学生寮の入居待ちはこの秋遂に1000人に達したそうです。

昨日、日本企業のオウル初進出も果たされましたし、オウルはこれからますます高度な知識集積地として育っていくことでしょう。

閑話休題。ストックマン開店の興奮は、既に半年前から始まっていました。店の前にはカウントダウンの掲示板(秒単位!)が掲げられ、周辺道路の再整備も進められてきました。ついでに地下駐車場まで整備されたという念の入れようです。

ストックマンが開店したところは、市内中心部の歩行者天国に面した市内一等地。それも一ブロックの殆どがストックマンという非常に恵まれた立地です。市にとっても周辺道路の整備と、増加する流入自家用車の処理には願ってもないチャンスだったことは事実ですが。

一月半前の写真
開店予告の折り込み広告 一週間前には、開店予告の折り込み広告が投入されていました。ブックレットの中を見ると、洋服、ストックマンご自慢の食器コレクション、それに高級お総菜の案内と、日本の百貨店でもよく見られる広告がずらっと並んでいます。はっきりいえることはセンスがいいということ。服も食器も全て洗練された商品。

モデルについても「これ、その辺歩いている子てきとうにつかまえたんちゃうん? こっちは毎回同じ写真やし。」という感じの地元ショッピングセンターの広告と比べて、明らかにレベルが高いといえます。

そして今日のオープン。店内はエスカレーターに待ち行列が出来るほどのにぎわいです。多分オウル100km圏内のケミ・カヤーニ・ラーヘといった周辺都市からも沢山の買い物客が押し寄せているんでしょう。4階建ての広い店内は、押すな押すなの大盛況です。

私のような見物客ばかりかと思うとレジにも長い行列が出来ていて、結構高級なものを手にしている人も見られます。

これまでオウルは、「なんでもあるけど、何にも選べない」町でした。これからはいろいろな商品が選んで買えるようになります。もちろんヘルシンキのストックマン本店に比べると品揃えは薄いですが、これまでオウルでは手に入らなかったものが並んでいます。

これまでヘルシンキに比べても、目を覆うばかりのものがあったオウルの若い女の子のファッションセンスも、これで少しはましになっていくのでしょうか…。

店内を埋め尽くした人


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