8月 5日 フィンランドの納豆達


8月になりました。ここのところ一気に寒くなってきて、すっかり秋の気配です。

スーパーにも秋の味覚が並び始めました。フィンランドの秋の味覚といえばベリーとキノコ。まずその第一弾のベリーの季節がやってきています。

フィンランドの法律では、「たとえ誰の土地であろうと、野生の花、ベリー、キノコについては、採集したものに所有権が発生する」ことになっています。例えば、貴方の土地を歩いていたときに、バケツに入ったキノコが置いてあって、「ああ、これは俺の土地でとれたものだから俺のものだ」と家に持って帰ったら、貴方は窃盗罪に問われるわけです。

秋の味覚の先頭を切るのはLakka(Arctic Cloudberry)と呼ばれる黄色のベリーで、これはとれる時期がほぼ一週間程度と短いため、非常に高級。他のベリーの3-5倍の価格で取り引きされています。沼地に多く映えているため、蚊と戦いながら1〜2時間がんばって、ラッキーならば大体ポリバケツに2杯ぐらい集めることが出来ます。

ところが、これがどうもフィンランド人以外の口には「大しておいしくない、種のばかりのベリー」でしかなかったりするわけで、味覚の国民性というのはやはり避けて通れないようです。ま、日本にも納豆・くさや・海苔を初めとして、日本人以外の口には「おいしくないもの」が溢れていますから、人のことをいえた義理ではないのですが。

サルミアッキ フィンランドの納豆の代表選手といえばこの"Salmiakki(サルミアッキ)"。かの「探偵ナイトスクープ!」でも「世界一まずい飴」と紹介された曰く付きの逸品です。原料はのどの薬としても使われる甘草ですが、とりあえず独特の何ともいえない甘みがあります。好きな人になると殆ど中毒のようになめてますが、私にはどうも。

刺激的な方がよければ、Salmiakki=turkish pepperがお勧め。ながくこの味を楽しみたければ、サルミアッキ味のキシリトールガム(いかにもフィンランド製という感じ)。お酒の好きな方には、フィンランド製の非常においしいウォッカ、Koskenkorva(コスケンコルバ・残念ながら輸出されていません)にサルミアッキを溶かした、Salmiakki Kosu などもお勧めです。(^^

さて、同じように黒いものを続けると、Mammi(マンミ)もなかなかのものです。いつでもスーパーで買えますが、基本的にはイースターの食べ物。英語の説明を読んでいたら、"malt flavored oven baked pudding"と書いてありますが、黒い麦のペーストといった感じでしょうか。味はやはり甘め、黒パンが苦手な方にはまず食べられない味です。牛乳と砂糖を混ぜて食べることが多いようです。

もう一つ黒いものと言えば「牛の血」。これはオウル地方独特のものなのだそうですが、血のソーセージ、血のゼラチン固め(スープに入れて食べる)、その他諸々と非常にバラエティ豊富です。1-2回食堂でお目にかかりましたが、特に「血の味」はしない、なんか頼りない、どことなく脂っこい食べ物といった感じです。

オウル独特のものといえばもう一つこれ。Juustoleipa(ユーストレイパ)と呼ばれる。チーズケーキ(と言うよりはチーズパン)です。生乳にバクテリアを入れて少し発行させてから焼いたものですが、これが独特の歯ごたえがあっておいしい。私は大好物です。友人に言わせると「フィンランド人以外で、あれがおいしいと言った奴は初めて見た」だそうですが。

甘みなどはなくまさに牛乳の味そのまんまなので、多くの場合は、ベリーのジャムをかけて食べます。Lakkaが多いでしょうか。ぼくは、Vadelmakeitto(ラズベリージュース:牛乳パックに入って売っている)をかけて食べています。

ユーストレイッパ

フィンランド人は、大人も子供もやたらと牛乳を飲みます。特に学生食堂に行くと、コップ一杯の水とコップ一杯の牛乳を取っている学生に沢山出会います。フィンランドの牛乳は基本的に薄め。牛乳パックの水色のものが一番好まれますが、日本人には薄すぎます。普通の牛乳が好きな方は青いパックのものを、濃いめが好きな方は赤いパックのものを飲みましょう。

牛乳とよく間違えるのが、サワーミルク。飲むヨーグルトの甘くない奴と言ったところでしょうか。牛乳だと思ってコップに注ぐと、ちょっとどろっとしているので「腐ったか?」と思いますが、そういうものです。好き嫌いの別れる飲み物ですが、私は嫌い。

ビーリ 乳製品の極めつけがこれ、Viili(ビーリ)。一件ヨーグルトに見えますが、開けてみると表面にびっしりと白カビが生えています。これまた「腐ったか?」とおもわされますが、こういうものです。白カビの部分も当然そのまま食べます。

味の方は甘くない、堅くないヨーグルト。といっても酸っぱさもそれほど無くて、味は牛乳のままといった感じです。これも食べられない外国人が多い中、私には好物の一つだったりします。フィンランド化してきたのかなぁ

フィンランド人は概して好むようで、おばさまがたが、子供に命じて10個20個とまとめ買いしていくのを見ます。同じ人が週に2〜3回、同じペースで買っているのみたことがあるんですが、いったい何人家族なんだろう


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