7月20日 ニンニク祭


今日は毎年夏に開かれる第12回オウル・ニンニク祭(Oulu Garlic Night : Valkosipulin Yo)です。

なぜオウルでニンニク祭なのか、その関係などは全く謎(地元民に尋ねてもわからない)ですが、今日はオウルの町がくさくなる日。飛行場から帰ってきたら早速自転車で中心街へ、今日はイベントが多くて大変です。(^^

私の住んでいる学術都市地域Linnnanmaaから中心部へ向かうときには、オウル川にかかっている大きな橋を渡ることになりますが、この橋の中央付近をすぎたあたりから風に乗ってニンニクの香りが漂ってきます。すでにお祭りは今日の昼から始まっていますので、町にはニンニクの香りが充満しています。

ニンニク祭の会場 会場のマーケット広場(Kauppatori)に入ってくると、会場はすでに人がごった返し、そこら中の屋台からニンニクの香りが漂ってきています。ニンニク祭だけあって、発散されるエネルギーは相当のものです。
ふと上を見上げると、クレーン車を使ってバンジージャンプに興じている人が見えます。きっと有り余ったエネルギーをぶつけるところが無くて困った上でのことでしょう。実際、バンジージャンプの前にはものすごく長い行列が出来ています。 バンジージャンプ
試食用の皿の数々 さて、屋台の料理はただ売り物として並べられているわけではありません。

ニンニク祭では、オウル全体から、あるいはオウル以外の町から集まった、沢山の料理屋が、それぞれ創意工夫をこらしたニンニク料理を持ち寄って、その美味さを競います。

優劣を決めるのは全ての来場者。各店にはエントリーナンバーが付いていて、その番号を投票するという仕掛けです。当然公平な判定をするためには、味以外の部分は公平にしないといけません。しかも相当沢山のお店が並んでいますので、来場者が沢山食べられるように工夫しないといけません。

ということで、全てのお店が同じ皿を使って同じ価格で料理を提供します。一番小さい皿は5FIM。これを順番につまみながら店を渡り歩くという趣向です。

フィンランド語ではニンニクのことをValkosipuli、すなわち白(Valko)タマネギ(Sipuli)。タマネギの一種として扱われているわけです。だいぶ違うと思うんだけどなぁ。

実際にスーパーなどに行くと、我々の知っているニンニクの他に、一粒ニンニク、さらにはこんな巨大なニンニクまで売っています。これが食べるとちゃんとニンニクの香りがするから不思議です。

巨大なニンニク
ニンニクアイスクリーム ニンニク料理となると、どうしても焼き物が中心になります。チャーハンやハンバーグなど。他によく見るのがニンニクドレッシング。オウルの食堂では普段からよく見かける代物です。今日は特別にニンニクを倍増したドレッシングのかかったサラダなんてのを楽しむことが出来ます。

町の売店では、ニンニクのピクルスにニンニクジャム等というものが売られていて、結構飛ぶように売れています。やっぱりオウルの人はニンニク好きなのかも…。

極めつけはこのニンニクアイスクリーム。すり下ろしたニンニクがアイスクリームの中に練り込まれています。が、これが結構おいしい。甘いアイスにほのかにニンニクの香りというのが結構よいアクセントになっています。

そろそろ感覚が麻痺してきているからじゃないかという説もありますが

そんなこんなでいろんな味を楽しんでいる間に、すっかり夕焼け空になってきました。夕焼け空といってももう12時です。

会場の端では、ニンニクを沢山摂取して、いたたまれなくなった人たちの嬌声がこだましています。

バンジージャンプ
メインステージ 暗くなってきたところで、本日のメインイベント、ザ・バンパイア・コンテストの開催です。

「何でニンニク祭りに、吸血鬼?」という感じですが、主催者曰く「みんなニンニクの香りがしているから、安心して吸血鬼を見物できる」というのが理由だそうです。なんだかなぁ(^^;;。

ニンニクの毒気に当てられたのか、参加者の吸血鬼の皆さんはどうももう一つぱっとしません。面白くないのでそこそこに切り上げて、船上バーでいっぱいやることにしました。

一杯といっても、そこはニンニク祭。お酒にも当然ニンニクが入ります。ニンニク入りアップルシードル、ニンニク入りウォッカ、エトセトラ、エトセトラ…。

我々が注文したのは、一番一般的なニンニクビール。ビールの中に刻んだニンニクを入れ、上からニンニクパウダーを売りかけた逸品です。

ニンニクビール
まずそうにビールを飲む私 肝心の味の方はというと、この通り。

とても正気の沙汰では飲めたものではありません

とにもかくにも辛い。生のニンニクをそのまま刻んで入れているので、そのエキスがビールに溶けだして、とてつもない辛さになっています。

さらにビールを飲むと付き物の「ゲップ」がたまらなく臭い。一口飲むごとにだんだん憂鬱になってきます。

日本人の口に合わないだけかと思ったら、この通り。地元フィンランド人も、思わず顔をしかめる逸品中の逸品です。

たった一杯のビールを飲むのに1時間以上かかったのはこれがはじめてです。友人と男三人でビールを頼んで誰一人として1時間以下では飲み終わりませんでした。だってまずいんだもん

ビールの味に顔をしかめる地元民
朝焼けとバンジージャンプ どうにかこうにかニンニクビールを飲み終えて、そろそろお祭りも終わりということで、午前2時前に会場を後にしました。

ふと空を見上げると、朝焼け空をバックにエネルギーを発散させている人達が、飽きることなく宙を舞っていました。


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