7月 8日 白夜祭


今週はオウルが一番暑くなる週。実際かなり暑い日が続いています。

夏になるとフィンランドで多くなるのが野外コンサート。殆どの大きな町で、ロック、ジャズ、オペラ、ポップスなどのコンサートが入れ替わり立ち替わり開かれ、結構驚くような大物がやってきます。

今週のオウルでは、白夜祭と称して、一週間立て続けで野外コンサートが開かれます。開催地は普段マーケットプレース(Kauppatori)として使われている港の横の広場です。ここをフェンスで締め切って、野外コンサート場にしています。

コンサートにやってくるアーティストは、「野外コンサートにこんな人が来るか」というような大物ばかりです。フィンランドの若者に今人気のあるバンドや、一世を風靡した"Megadeth"などなど。およそ、マーケット広場で歌うような人たちではありません。

会場のマーケット広場のまわりには、公園が広がっているので、その気になればどこででもコンサートを聴くことが出来ます。実際コンサート会場内向けの巨大スクリーンは会場の外からでも丸見えです。私も含めて、沢山の人たちが音漏れを聴くために、ビールを片手にコンサート会場の周辺に集まります。

面白いのは年齢層。フィンランド国内で人気のバンドのコンサートは、周辺を10代前半の子供たちが埋め尽くして大変な騒ぎです。かとおもうとMegadethのコンサートの日にはこのくそ暑いのに、長い皮のコートを着た20代後半から40ぐらいまでの人たちがたむろしています。
MAYA 最終日の今日は、コンサート会場に入ってみる子としました。コンサートは昼から始まり、まず地元出身で現在ヘルシンキ近郊で活躍している歌手が前座をつとめます。さすがに聴いている人は少な目でしたが、「実力あるなぁ」という感じの歌手です。いい声をしています。
続いて、同じく地元出身の「ロックンローラー」の登場で、会場は盛り上がります。何とも古典的なロックンローラーで、バックシンガーのお姉さん(??)も今は殆ど見なくなったアフロへのかぶり物なんかしてたりします。 アフロヘアのバックバンド
バックバンド そして、最後に黒づくめの、ややお年を召したバックバンドが登場しておもむろに演奏を始めます。会場の興奮は最高潮に達します。ただし、客層が若干年寄りに振っていますので、奇声などが発せられるわけではなく、ただ静かに期待感が会場に広がっていきます。
一通り、バックバンドの演奏が終わった後で、本日の主役の登場です。このコンサートのメインイベントレイ・チャールズ・ショーの開演です。

いや〜それにしても、こんな北欧の片田舎のマーケット広場で、まさかレイ=チャールズの生コンサートを聴けると夢にも思ってませんでしたが、本物の登場です。しかも、多分アメリカではこんな価格で見られないだろうというようなとっても安いチケットです。(私はちょっとした事情で、無料で会場に入りましたので、さらにお得な思いをしたわけですが。)

レイ・チャールズ
スクリーンを見る人たち コンサートはマーケットプレースの中ですから、オールスタンディング。ものすごく沢山の人が集まっていて、会場の前の方は押すな押すなの状態です。

でも、一方でマーケットプレースですので、会場の中でも、食事、お酒を普通に売っています。つまりグラス片手に食事を楽しみながら、レイ=チャールズのコンサートを楽しめるというわけです。アメリカで、レイ=チャールズのディナーショーに行った日にはいくらかかることかと思うとめちゃくちゃお得です

この日のレイチャールズは、名曲"Route66"はじめ、5-6曲を立て続けに披露してくれました。観客の反応もよく、結構ご機嫌なコンサートだったようです。

いやぁ、いいコンサートでした。

深夜まで行われたコンサートが終わって、自転車で家に帰ってくると、美しい夕暮れが見えました。とうとう夜がオウルにもやってきたようです。

夏を彩るコンサートが終わってふと気づくと、秋の足音はすぐそこに響いていました

日暮れ


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