6月30日 マックルイス


一人暮らしをしていると、勢いファーストフードを食べることが多くなります。今日はフィンランドのファーストフード事情について、少し書いてみたいと思います。

日本人にとってファーストフードというと最初に思いつくのがハンバーガーですが、フィンランドではそれほど人気の高いものではありません。あ、いや、少なくともオウルではそうです。他の土地では事情が違うかもしれませんのでその辺お含み置きを。
キャロルス オウルには、マクドナルドの他にキャロルスなどの自国資本系のハンバーガーショップが複数ありますが、一般的に人気があるのは自国資本系の店です。その主な理由は価格。フィンランドではマクドナルド=高いというイメージが定着しています。実際に食事をしてみると、普通のレストランで食べるのと同程度のお金が必要です。

経済の分野では、ビッグマックの価値は世界中で同じだという仮定に立って(そもそもこの仮定に大きな間違いがあるような気がしますが)、通貨の実際価格に対して現在の交換レートが高いのか安いのかを比較する、Big Mac Indexなるものがありますが、ユーロ圏のビッグマックの価格を決めるのには「平均」を使わざるを得ません。様々なところがMax Indexを算出していますが、どこを見ても"Avarage price in Euro Zone(ranging 3.36 in Finland to 2.25 in Spain)"となっていますので、フィンランドはユーロ圏で一番Big Macの価格が高いことがわかります。日本が現在280円(=2.64Euro)ですから、相当高い。日本では様々なセット価格や割引価格を導入していることを考えると、異常に高いことになります。

マクドナルドといえば、世界中で同じ味のハンバーガーを提供していることで有名です。実際、ヘルシンキ工科大学にいたころには、"Let's go to taste home country for everybody."と言ってはマクドナルドへ行ったものです。

とはいっても、世界的に有名な"テリヤキバーガー"のように独自の味のものもそれぞれ国ごとに提供されています。フィンランドのマクドナルドも決して手を拱いているわけではありません。フィンランドで最も愛されている、ライ麦パンを用いた黒パンバーガー、McRUISも販売しています。見ての通り、フィンランドで最も一般的なオープンサンドの材料、トマト、チーズ、レタス、そしてハンバーグが挟まれています。

マックルイス
マックルイス ところが実際に食べてみると、これが美味くない。まず堅い黒パンと柔らかいハンバーグはあいません。しかも黒パンとしてもおいしい黒パンとは決していえないパンです。うーん、あわん。
それに比べて、期間限定だか新発売だかの(いやフィンランド語がわからないんです、テレビコマーシャル見ても)のメキシコ風バーガー、McFajitaはいい感じです。チキンと牛肉の2種類あって、フィンランド風のメキシコ味に仕上がっています。つまり、トマトの味が殆どでちっとも辛くない。いやホントに。

フィンランドに来て困るのは、この「辛くない」と言うこと。メキシコ料理(なぜか一時期流行っていた)を食べても辛くない。中華料理を食べても辛くない。フィンランド人は一般的に辛いのが苦手ですから、日本人なら「ん?ちょっとスパイスが利いてるかな?」みたいな味でも敬遠されがちです。最悪だったのは、パイナップルが入った甘い「サルサソース」。下手したらケチャップよりも甘いぞこりゃ、といいたくなるような味です。

マックファジータ
箱から紅茶を選ぶ さて話を戻すと、マクドナルドに行っても随所に「フィンランドらしいなぁ」と言うところが出てきます。顔が入りそうなタッパー一杯に入ったサラダとか、水で薄めたんじゃないかと思いたくなるようなオレンジジュースとか……。極めつけはお茶。お茶を頼むと、こんな具合に箱入りのティーパックが出されて、沢山の種類のお茶の中から好きな一つを選べということです。こんなの他の国で見たことない、イギリスではマクドナルドに行ったこと無いけど。
こんなにがんばっても、オウルではやっぱりマクドナルドは不人気です。そこに追い打ちをかけて狂牛病騒ぎが起きましたから、ハンバーガー全体の人気が落ちてきています。これはフィンランドだけの現象ではなくて、狂牛病と口蹄疫の恐怖が広がる中、牛と豚の消費量がヨーロッパ全体で激減しているのだそうです。 ファービー人形のパチもの
ピザ半分 じゃ、フィンランド、もとい、オウルで人気のファーストフードは何かというとカバブとピザ。特にピザ屋の数は非常に多く、町中に溢れています。逆にお祭りになると街角にカバブを売る屋台がずらっと並び、これはこれで壮観です。

なんと言っても安い。このピザで25FIMです。サラダは最初からおまけで付いてきてとり放題(日本のように馬鹿みたいに取る人はいませんが)、コーラを別に注文してもたかがしれています。しかもこの大きさですから、だいたい一回では食べ切れません。アルミホイルに包んで残りは持って帰り、次の食事でもう一度オーブンで焼き直してなんてて食べ方が出来ます。つまり25FIMで2食食べられると言うことですな。好きな人になると週3回お昼に食べてたりするからたいしたものです。

でも、イタリア人に言わせると、パイナップルが大量に入っている甘いピザなど、ピザとは呼べないという話ですが。


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