6月16日 みんなのレース


夏がやってくると、オウルでは様々なイベントが催されます。

冬は冬で48時間耐久氷上釣り大会などの大変自虐的なイベントがあるにはありますが、やはり楽しむには夏が一番です。

今日はいつもの連中と、オウル郊外のサーキットにやってきました。サーキットとは言っても日本のサーキットとは違って、一見、森の中の工事現場といった風情です。カーブの所にはアスファルトが貼ってありますが、直線は全てダートのまんま。
レース町の車たち レースに出場するのは、一流のドライバーでも何でもなく、一般の人たち。みんな思い思いに改造した車で、レースに臨みます。
この車なぞ車の後ろにSekajate(生ゴミ)とかいて、他の車への挑発なのかなと言う感じです。

この車のように、ピザ屋の大々的なバックアップを(多分)うけて、レースに臨むグループもいれば、

ビートルの後ろには「生ゴミ」の文字
VWのエンブレム入りビートル (きっと)自分で勝手にVWのロゴを入れて、それなりにおしゃれをして望む一般ドライバーもいます。

車も、ビートル、フィアット、カペラ、カローラとばらばら。共通してどの車もでこぼこなこと以外は、殆どレギュレーションらしきものがないように見えます。

お昼前に一斉にスタート。

レースは、子供の部、女性の部、男性の部と、80台以上の車によって争われます。一台の車が、予選、決勝と走るわけで、だんだん車ががたついていくのが、手に取るようにわかります。

スタート!
様々なクラッシュシーン 特に子供の部は、クラッシュの山。壁につっこむ車あり、多重衝突あり中にはプロ顔負けに、車の重さの違いを利用して、ライバルの車をカーブで押し出して走る子供なんてのもいます。

家族3人で車をシェアしていると見えて、同じ車が何度もレースにでてきたあげく、何度か激しいクラッシュを演じて、お父ちゃんが車に乗るときにはすでに虫の息、エンジンが火を噴いて悲しく帰り支度、なんてのもありました。趣味の世界でまでお父ちゃんは大変なようです。

それでも、レースが佳境に入ってくると、すばらしいバトルが展開されます。市販の改造車でやってるとは思えないぐらい、プロ顔負けのドリフトがあそこでもここでも見られます。

まあ、フィンランド人は冬の間は日常生活の中で凍った道をドリフトしながら走るわけで、この程度なんてことは無いのでしょうが

なんと言ってもこの国で免許を取るときには、油を引いた鉄板の上で急ブレーキを踏むスリップ訓練があるそうですから、ドリフト、カウンター程度出来て当たり前なのでしょう。

見事なドリフト
激しいデッドヒートもあり それにしてもこの国のレース人口のすそ野は広い。家族総出で、物心着いた頃からレース三昧な訳ですから。高々500万人の国から偉大なドライバーが沢山出るはずです。ラリーのユハ=カンクネン、F1のミカ=ハッキネン。数えだしたら切りがありません。

レースに出る方は、車の改造と運転を楽しみ、レースを見る方は、クラッシュとビールとソーセージを楽しむ。フィンランドの夏は、どこまでもアウトドアです。


戻る