5月21日 ある日の朝


「コケコッコー。ただいまの時刻は7時30分です。コケコッコー……。」
午前0時のオウル 夏至が近づいて、最近夜中でもこのぐらい明るいので、ついつい寝るのが遅くなり、どうも寝不足気味。

「でも、今日は朝9時からミーティングがあるし、起きないとぉ。」と無理矢理ベッドから這い出します。

もぞもぞと起き出して…シャワーを浴びて…歯を磨いて…

「今朝の気温は何度かいな」とロールカーテンを引き上げて…………ん???……え???

マジか! 勘弁してよぉ。

なんと、横殴りに雪が降っています。我が目を疑いましたが、紛れもなく雪が降っています5月も終わりになろうというときに、ようやく木々も緑に芽吹き始めたときに雪が降っています 雪降るオウル
雪の朝の出勤風景 写真でははっきり見えませんが、ビデオでならわかるはずです。よーく見ていると、後半の方で雪が舞っている様子が見て取れるはずです。ただし、1.5Mbyteの巨大なファイルの上、FUJIFILM AVI STREAMという特殊な形式のファイルですので、DirectX 8.0以上+Microsoft Media Playerか、Quicktime 3.0以上でないと見られませんが(FUJIFILMさん。Mpegへのコンバーターとかフリーで提供してください)。
今日の気温は3度。さすがにこの時期に雪が降るのは珍しいらしく、地元の人も「一度片づけた冬のコートをもう一度出してきたよ。」とのこと。まだまだ道ばたには雪が積まれていますが、さすがに暖かくなってきていましたので、少しずつ山は低くなってきています。 道ばたに積まれた雪
ただ、フィンランド人の友人によれば夏に急激に温度が下がるのは、フィンランドでは珍しいことではないらしく、夏場でも、時によっては、夜中の気温が-2度前後まで下がることもあるそうです。フィンランドの気温はヨーロッパ大陸周辺の気圧配置によって大きく変わるそうで、地中海や黒海に高気圧があり、北海に低気圧があると暑い日に、逆になると急に寒い日になるとのこと。"Halla"と呼ばれるこの現象が起こると、フィンランド人の秋の楽しみの一つであるベリー類の収穫量が落ちるそうで、ちょっと気になるところではあります。

オウルは港町ですが、この時期はまだバルト海が十分熱を蓄えていませんので、気温が下がるのを防ぐ効果はそれほど無かったようです。「湖水地方」と呼ばれる東部の町では、海がありませんので、真夏でも"Halla"が起きる可能性は十分あるそうです。ヨーロッパの最北端、ノールカップでは夏至の時期でもまだ雪が降る可能性が十分あるそうですので、夏の北欧に来られる際には、上着一枚は用意しておくことをおすすめします。

ミーティングを終えて出てくると、雪は雨に変わっていました。午後にはすっかり雨もやんで、また春の太陽が燦々と夜中まで降り注いでいました。


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