5月12日 ヘルシンキ(観光編)


今日は学会が終わった後の土曜日。お休みなので観光に当てることにしました。観光といえど、勝手知ったる町。自分として懐かしいところを回るだけなのですが。
ヘルシンキ教会 ヘルシンキは「バルト海の乙女」と呼ばれますが、その言葉に添えられるのがこのヘルシンキ大聖堂の写真。北欧の明るい青の空に、真っ白な教会はとても映えます。

バルト海の乙女の素顔にあいたければ、ストックホルムから船でヘルシンキにはいることをおすすめします。スウェーデン側の"Viking Line"(バイキングライン)とフィンランド側の"Silja Line"(シリアライン)の二種類の豪華客船が運航しています。どちらの船で来ても、ヘルシンキに入港するときにこのヘルシンキ大聖堂とウスペンスキー寺院が港の背後にどっしりと座っている姿を見ることができ、本当にきれいです。

ちなみにフィンランド語のSiljaとは「ごまちゃん」のことです。私はこちらの船にしか乗ったことがありませんが、非常に豪華な船です。船の中ではフィンランド人、スウェーデン人が「このときばかり」と浴びるように酒を飲んでいる姿を見ることができます。これもまた乙女の素顔です。

このヘルシンキ教会は、私にとっては思い出深いところ。94年、ヘルシンキ工科大学に留学したときに、ヘルシンキ最後の日に立ち寄ったのがこの教会です。10月初めでしたが、この年の秋、この日初めてヘルシンキに本格的な雪が降りました。教会の前から吹雪に凍えるヘルシンキの町をこんな風に見下ろして、夏がとうとう終わっちゃったなぁと感慨にふけったのを思い出します。 ヘルシンキ教会からの景色
カウッパトリ ここから少し足をのばすと、ヘルシンキ港に出てきます。

ヘルシンキ港にはKauppatori(カウッパトリ)と呼ばれるマーケットが建ち、様々な商品が売られているのを見ることができます。

ヘルシンキに観光でやってきてお昼を食べるなら、ここで適当に魚や肉の焼いたものをつまむのがおすすめです。潮風も気持ちいいですし、何よりも観光っぽい。

もしくは、フィンランド人のまねをして、こんな豆を一袋(結構あります)買って、生でぽりぽり囓りながら町を歩くのもいいでしょう。

豆の山
街頭テレビでF1に興じる人たち この日は街頭テレビが出て、F1の予選の様子を伝えていました。たくさんの人が、ハッキネンがどうだ、ライッコネンがどうだ、ミカサロがトヨタと契約したとかしないとか、そういうことに盛り上がっていました。
港から市内中心部の繁華街までは、エスプラナーディと言う名前の公園通りが続いています。公園通りの真ん中にはパブなどがあり、明るい夜を楽しみながらビールを飲むには最高のところです。

水曜日はこの春一番の暖かい日で、昼間の最高気温が21度もあったのですが、今日はきっとこの夏一番暖かい日になるぞと思ったのは私だけではなかったようで、足の踏み場もないほどたくさんの人がビールを楽しんでいました。

公園通りのパブ
この通り沿いのところから駅にかけての地域には、沢山のブランドショップ、2軒の百貨店が軒を連ねており、ショッピングを楽しむことができます。

こちらの百貨店に来て感心することは、店員のバッジにあるちょっとした工夫です。Stockmannに行くと店員のバッジに国旗のシールが貼られています。このシールはその店員が何語をしゃべれるかを示しているもので、外国から来た買い物客には非常にありがたいサインです。日本の百貨店でもすぐにまねができると思うんですけど……

このあたりから町の中の方へはちょっと観光地が散らばっています。どこのガイドブックにも書いてありますが、3Tのトラムに乗るとたいていの観光地を回ることができます。
テンペリアウキオ教会 私のお薦めはテンペリアウキオ教会(Temppeliaukio Kirkko, Rock Church)。この教会は、英語の名前が示すとおり、大きな岩をくりぬいてつくられています。外から見るとわかりにくいので見落としてしまいがちですが、フィンランドらしい構造の教会です。シンプルで、光を上手に使った演出、まさにそのものといったところです。
この日、テンペリアウキオ教会の上には、一本の桜が満開に咲いていました。北国フィンランドにも遅い春がやってきたようです。 桜の花


P.S.: 二週間ばっかり出張でオウルを離れていたもので、全くこの間更新ができませんでした。オウルに戻ってきてみると、「体を壊されていませんでしょうか」というご心配のメールから、「更新してへんぞ、サボるなよ」というお叱りのメールまで、様々なメールを沢山の方からいただいていました。今回は出張中に書きためたものを一気に掲載いたしましたがお楽しみいただけましたでしょうか

趣味と、知り合いへの近況報告を兼ねて書いていたページだったのですが、これだけの方が見ていらしたというのは、正直驚きです。「ありがたいことだ」と思うと同時に、「さぼれなくなったなぁ」とちょっと背中が薄ら寒くなっています。

仕事の合間を縫って書いていますので、更新が少々遅れても、気長に眺めてくだされば幸いです。(5月16日追記)


戻る