5月 5日 日本的?


海外に出かけていくと、どこに行ってもおかしな日本語の一つや二つは見かけるものです。特に昨年あたりはヨーロッパでは「漢字」がブームだったらしく、アムステルダムなどでは、やたらと漢詩らしきものの書かれた壁紙などを沢山見かけました。

もちろん日本人の使っている英語も人のことをいえた義理ではなくて、こんな有名なサイトもあったりするのですが。今日はフィンランドで見つけた日本的?なもののお話。
芸者チョコレート フィンランドでもっとも有名、かつきっともっとも古くからある日本的な物がこの芸者チョコレート。数々のWebサイトで紹介されていますし、おみやげにこれをもらった人は結構多いと思います。

フィンランドは知る人ぞ知るお菓子の輸出国なのですが、数々あるお菓子の中でもっともポピュラーなチョコレートがこれです。国中どこのスパー、キオスクでも必ず売られています。結構おいしいので、私も仕事の合間などに食べています。

運がよければ、左の写真のような何とも表現しようのない芸者さん?の写真のポストカードがおまけに付いてくることもあります。(写真のカードは友達にもらったのですが)

このチョコレートをはじめ、94年にヘルシンキ郊外に住んでいたときには、KATANAと言う名前の包丁のセットや、HARAKIRIという名前の車の修理工場チェーンなど、思わず「なるほどぉ」と唸ってしまうような日本的な名前のものがありましたが、最近はだんだん質が落ちているような気がします。
例えばこの写真の様な、「気」という字の書かれた布団や「家庭」、「愛情」という文字がちりばめられた枕などの、寝具KIMONOシリーズ。 「気」と書かれた布団
ジュース「こんにちは」 「こんにちは」とずらずら書かれたジュースなんて物まで存在します。たしかに"Hyvaa Paivaa"は日本語で「こんにちは」ですから、間違っちゃいないんですが。 ここまで来ると何でこうなってるんだかさっぱり分かりません。

ちなみにこの商品のテレビコマーシャル。「フィンランド人にとって日本ってこんなイメージなのね」と思わず考えさせられるCMです。

日本庭園の見える畳の間で日本人女性が優雅にジュースを飲んでいる(「まっとうな」日本間と日本女性です)。すると突然地震がやってくる。女性の後ろの棚からは物が転げ落ち、カメラのすぐ前にある水槽からは金魚も飛び出すんじゃないかと言うぐらい水が飛び出す。でも、女性は相変わらず平然とジュースを優雅に飲んでいる。机の上にあるジュースの缶がアップになって、"Hyvaa Paivaa"。

フィンランドは堅い岩盤の上にありますので地震など殆ど、多分全くありません。フィンランド人によく「地震はしょっちゅうやってくるのか?」「怖くないのか?」とよく聞かれますが、たいてい日本人は(私も含めて)「あ、またかという感じだよ。」などと応えますので、きっとこんなイメージになるのでしょう。
かくいう私の家にも、日本的な物が一つあります。私の家の家具は、ほぼ全てオウル大学に貸してもらっているのですが、電灯だけは大学にはなく、秘書さんが買ってきてくれました。

「私の趣味で買ってきましたので、気に入ってもらえるかどうか分かりませんけど」と、彼女がにっこり笑いながら広げてくれたのがこれ(しかも彼女は上下逆さまに広げたんですが (^^;; )。

このZENシリーズは結構人気のあるシリーズらしく、他にもなかなかシンプルで美しいいろんな明かりがラインナップされています。なお、この商品以外には小さく英語で"ZEN"と書かれているだけですが。

「禅」と書かれた電灯
とりあえず、ちゃんと意味があっているだけフィンランドの「日本的な物」はましなのかもしれません。この国の日本に対する理解はかなり深い物がありますから。

フィンランドには相当数の「日本語が出来る人」がいます。スーパーで商品の悪口を気楽に喋っていると、横から知らない人に「こちらの方が日本人の口には合いますよ」とアドバイスされたりすることも結構ありますので、注意しましょう。(私の実体験(^^;; )

なんといっても、オウル大学にも日本史学科がありフィンランド人の日本史学博士がいたりするぐらいですから。

その昔、世界のどこか(どこだったか忘れましたが)で、アメリカ人に「おまえ日本人だよな。これは俺の自慢のTシャツなんだが、どういう意味か教えてくれないか?」と上着をめくって、「鬼畜米英」と書かれたTシャツを見せられたときには返事に窮しましたが……。彼はあのTシャツ、どこで手に入れたんだろう……?


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